歌唱力
技術:★★★☆☆☆☆
個性:★★★★☆☆☆
↓判定基準の詳細についてはこちらをご参照ください。
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委員会コメント
SEX MACHINEGUNSとの出会いは、筆者の地元のローカルTV局の音楽番組を友人と観ていた時で、彼らのメジャーデビュー曲である『HANABI-la 大回転』を聴いた時だった。
それ以降、そのちょっとおふざけが入った楽曲をたまに思い出せば友人とネタにし笑い合う程度だったが、それから数年後に車のラジオからたまたま流れた『世直しGOOD VIBRATION』を聴いて衝撃(笑撃?)を受けた。
その時はまさかあの『HANABI-la 大回転』のバンドだとは気付かなかったが、後に判った時には『あのバンドがまだ生きてたんだ!?』というちょっぴり懐かしい気持ちになりました。
正直、よくこんなメタル氷河期を乗り越えてこれたものだと思う。それだけでもSEX MACHINEGUNSが並のバンドとは違う事が分かるだろう。
今回の判定会議はタイミング悪く?正統派のメタル好きなメンバーが多かったこともありANCHANGの歌唱力に関して厳しい意見が多かったのですが、個人的にSEX MACHINEGUNSが好きである筆者でもその気持ちはよく分かります。
中にはすごい細かい所を突いてくる正統派さんもいたのですが、やけに詳しいので、あんた本当はかなりファンだろ?と思い、後で確認したらやっぱりマシンガーでしたw
そんな事もあり、なんだかんだ最終的には今回の歌唱力評価はANCHANGの実力通りの結果に落ち着いたとは思います。(個人的には個性の☆をあとひとつあげたい所ですが誤差の範囲でしょう)
ANCHANGの歌唱力はパロディーとしてはアリなんですけど、やはり全体的にピッチも歌いまわしも不安定で何よりあの歌声の『地声感の無さ』は歌も楽器も高い技術を求められる技術至上主義的なジャンルであるメタルとしては厳しい。メタルってそういうとこありますよねw
一般的なメタルの発声の流れですと、
チェストボイス➡ミドルボイス➡ヘッドボイス
とミドルボイスを間に挟みスムーズに喚声して行くところをANCHANGの場合は、
チェストボイス➡ヘッドボイス
となっているため、この発声だとどうしてもチェストボイスからヘッドボイスにかけて声の豊かさや迫力が激減してしまうのです。
ANCHANGはヘッドボイスにディストーション成分を含ませて頑張ってはいますが、やはり声質の薄っぺらさは否めないです。
そもそも、ANCHANGは元々はギターの人だったのが、ボーカルがいなくなった時期に仕方なく歌を始めた経緯があり、初めはハイトーンが出せず苦労し色々と試行錯誤した結果でのあのハイトーンなんですよね。
相当頑張って獲得した現在の歌唱力&高音なわけですよ。小泉さんならきっと『よく頑張った!感動した!』と言ってくれますよ。(古過ぎっ!)
そして何よりも、出口の見えない『メタル氷河期』とも言えるこのご時世に、メタルのダサカッコよさをフィーチャーしならがらではありがならも王道とも言えるヘヴィメタ曲で、これまでメタルなんて聴かなかったであろうリスナーをも虜にし、メタルの裾野を広げられたのはANCHANGの歌声あってこそです。
そういう意味ではANCHANGの日本HR/HM界への貢献は大変大きく、間違いなく彼は偉大なボーカリストであると言えるだろう!もちろん歌唱力は置いといてなんだけど。