歌唱力
技術:★★★★★☆☆
個性:★★★★★★☆
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委員会コメント
ロックバンドは色々あれど、本当にRockをしているバンドは一握り以下だ。
そんな中にあってガールズバンドでしっかりとRockしていた数少ないバンドのひとつが『プリンセスプリンセス』である。そしてそのフロントマンであった岸谷香(当時:奥居香)のハスキーな歌声がプリプリのRockに不可欠な要素であったことは言うまでもない。
プリンセスプリンセスのスタジオ音源は腕利きのスタジオミュージシャンが演奏していたという事はそこそこ有名な話だが、ボーカルはそうは行かない。
岸谷は女性には珍しい張り上げ系の歌唱スタイルだ。
張り上げと言うのは基本的には悪い歌い方とされるが、それは『張り上げ切れない』場合の話であり、張り上げ切れさえすれば何の問題もないどころか、それは凄まじい武器でしかない。
もちろん岸谷は張り上げ切れるボーカリストで、それはもうその武器をブンブン振り回すわけですわ。
しかも、彼女はそれだけに収まらず、しっとりと囁く様に歌う事もでき表現の幅も広い。
音程はザックリと思い切ってとるタイプだが決してピッチが悪いわけではなく、そこがまた彼女の歌唱のロック感を増幅している要素でもある。ライブなどでの安定感も高く個性あるその歌声は正に天賦の才能と言える。
岸谷は幼少の頃より母親のすすめでクラシックピアノを習っており既に小学生の頃には作曲もしていたそうだ。中学ではそれを知っていた先輩に誘われキーボードでバンドデビューをし、それ以降はバンド活動に熱中した。
高校に入りはしたが辞めたい一心で赤坂小町(プリプリの前身)のメンバーオーディションに応募し自身の作曲した歌で合格した。
しかし、赤坂小町は鳴かず飛ばずで事務所への不信不満も溜まり、メンバーと相談し事務所を移籍する。そして『JULIAN MAMA』となる。(まだプリプリじゃないのよ~)
このJULIAN MAMAとしては大した活動もないまま更にバンド名を変更し、ついに『PRINCESS PRINCESS』となり当時のCBSソニーでデビューするが紆余曲折あり最終的にはシンコーミュージックからデビューをし徐々に注目を集め遂に大ブレイクを果たすのだ。
既に齢50を超えた岸谷は一時期歌声の劣化が囁かれていたが、いえいえまだまだですよ。現在でもソロおよび新バンドの『Unlock the girls』で現役バリバリの歌声を披露してくれています。
岸谷香は天性のロック声を持った素晴らしいボーカリストです!